【学術情報】症例報告の論文が掲載されました。

【学術情報】症例報告の論文が掲載されました。

院長の佐橋が投稿した論文が論文雑誌動物臨床医学(査読あり)に掲載されました。

著者名:佐橋悠、佐橋三和子、中東礼子、日笠喜朗

論文タイトル:モルヌピラビルの短期投与により寛解した猫伝染性腹膜炎の猫 2 例

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫腸管コロナウイルスの変異によって引き起こされる大変予後の悪い疾患です。GS-441524 の投与が FIP の治療に有効であることが報告され、FIP治療薬として注目されています。 しかし、この薬剤は、ムチアンなどサプリメントとして販売されている高価な非正規製品もしくは試薬として入手する必要がありました。これらは非正規の未承認薬であり、倫理的に問題のあるコピー製品であるため、代わりになる治療を検討する必要がありました。

新型コロナウイルス感染症の流行により、新規の抗ウイルス薬が入手可能になりました。モルヌピラビルは、新型コロナウイルス感染症の治療薬として FDA による緊急使用承認(EUA)の下で入手可能になり、猫の FIP においても有効性が報告されています。しかし、FIP 治療におけるモルヌピラビルによる詳細な治療報告は未だ少なく、様々な病態の症例に対する用量および投薬期間などは定まってません。

今までの報告ではモルヌピラビルの投薬期間は 、12 週間程度が推奨されていますが、これは Pendersen らによる GS-441524 の報告に基づいているため、学術的な根拠が乏しいと考えます。

今回、FIP においてモルヌピラビルをより短い投与期間で治癒し、その後再発の認められていない2症例に遭遇したためその経過を報告させていただきました。FIP においてモヌルピラビルは臨床所見が消失した時点で休薬しても治癒する可能性があることを示した報告となります。

当院では学術活動を通しても獣医療に貢献していけるように努力していきます。

よろしくお願いします。

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